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【12月21日付社説】廃炉ロードマップ/安全で着実な工程の実現を - 福島民友

 政府が、東京電力福島第1原発の廃炉に向けた工程表「中長期ロードマップ」の改定作業を進めている。事故発生から30~40年とする廃炉完了の枠組みは維持するが、それぞれの廃炉作業の工程や目標などについて調整し、年内にも正式決定する予定だ。

 廃炉作業の中で優先して取り組むのは、原発の建物上部のプールに残されている使用済み核燃料の取り出しだ。4号機からの取り出しは終了したが、続いて取り組んだ3号機ではトラブルが続き作業が停滞している。1、2号機は着手に至っていないのが現状だ。

 新たな工程表では、5、6号機の使用済み燃料も含め、2031年末までに全て取り出す目標を掲げる。作業の安全を確保する手法を探るため一定の時間が必要となるのは理解できるが、見通しの甘さなどでなし崩しに廃炉が遅れることは避けなければならない。各号機の課題を見据え、着実な取り出しを実現することが重要だ。

 1~3号機の原子炉周辺にある溶け落ちた核燃料(デブリ)を巡っては、2号機で本年度中に少量を試験採取する予定だったが、技術開発が進まなかったため断念する。新たな工程表では、デブリの採取目標を「21年内」に先送りする見通しだ。

 デブリの取り出しは、高い放射線量の中で行われるため、ロボットなどの最新技術の活用が求められる未知の領域だ。確実に技術開発を進めることと同時に、取り出したデブリをどのようにして保管、処理するかの議論を始めておく必要がある。政府と東電は、県や立地町と十分に意見交換し、中長期的な方向性を示してほしい。

 汚染水の問題についても課題が残されている。汚染水は、雨水や地下水が放射性物質に触れたもので、1日あたり170トンほどが発生している。汚染水は、トリチウム以外の放射性物質を取り除く作業を経て「処理水」として、地上のタンクに保管し続けている。

 処理水の処分法は、政府の小委員会で議論されている最中だ。その方向性にはさまざまな意見はあるだろうが、原発の「水問題」の解決には、処理水の源になる新たな汚染水の発生を減らす努力が欠かせない。事故で損傷した建物を覆ったり、雨水が地面に染みこまないようにしたりする重層的な抑制対策を講じることが大切だ。

 第1原発の周辺では、避難指示の解除時期が決まるなど、地域の再生が新たなステージに進みつつある。政府と東電は、安全で着実な廃炉が本県復興の大前提であることを忘れてはならない。

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December 21, 2019 at 07:06AM
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