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【12月25日付社説】トリチウム処理水/風評対策示し処分に道筋を - 福島民友

 東京電力福島第1原発で保管される放射性物質トリチウムを含む処理水を巡り、経済産業省は、政府の小委員会が取りまとめる提言案を示した。

 提言案は、処理水の処分方法について、これまでの議論で示されてきた五つの方法から、国内外で実績がある海洋放出、米国の原発事故の際に行われた水蒸気放出に絞った上で、この二つの併用を含めた三つの方法を盛り込んだ。その他の案は、技術や時間などの観点から課題があるとした。

 処分方法を絞った背景には、処理水の保管可能容量が限界に近づいていることがある。第1原発敷地内のタンクは早ければ2022年6月にも貯蔵可能の容量に達する可能性があり、処分方法の決定は喫緊の課題だ。適切な判断を早期に示すことが重要だ。

 処理水の処分で心配されるのは風評被害だ。経産省によると、海洋放出、水蒸気放出による人体への影響は自然放射線による影響の千分の1以下となる。一方で海洋放出を行う場合は漁業や観光、水蒸気放出の場合は、観光、農林畜産業など幅広い分野で風評被害が生じる恐れがあるとしている。

 これまでの小委員会の議論では消費者、流通など広い範囲で理解の底上げを図る必要性への言及があった。23日の小委では、委員から「海洋放出は社会的な影響が大きい」との意見や、風評対策への記載が不十分との指摘があった。経産省は年明けに風評対策について再度提示することとなった。

 海洋放出、水蒸気放出とも人体への影響に差はなく、処分方法の決定には風評被害の懸念をどう捉えるかがポイントとなる。経産省には、予想される風評被害に対し、各機関がどのような取り組みを進めるのかを丁寧に示すことを求めたい。

 処分方法を実施段階に移す上では、多くの人の理解を得ることが不可欠だ。昨年開かれた公聴会では、今回の案に残った海洋放出への賛成意見は一部にとどまり、当事者となる可能性がある漁業者も含め大半は反対の意見だった。

 経産省は公聴会の意見を処分方法の検討に加味するとしていたが、提言案には反対意見がほぼ反映されていない。これでは小委員会の議論が「結論ありき」と疑念を持たれかねないだろう。

 経産省によると、提言をまとめた後、風評被害が予想される関係者などの意見を聞いた上で処分方法を決める見通しだ。風評対策を有効に進めるためにも、経産省には当事者の理解を得た上で処分を決める姿勢を堅持してほしい。

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December 25, 2019 at 07:23AM
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