「名は体を表す」という言葉がある。人や物の名前が、そのものの実体や本質を示しているという意味だ。だからこそ何かを命名する時には、さまざまな思いが込められる
▼「酒米ハンドブック 改訂版」（文一総合出版）を読んでみると、「山田錦」に代表される酒米の分野も例に漏れないようだ。新潟県が育成した「五百万石」は、同県のコメ生産量が五百万石を突破したことを記念して命名された。米どころ、酒どころの誇りを感じる
▼長野県が育成した「美山錦」は、コメの中心部分である心白が、美しい山の頂のようだというのが由来だ。雄大な自然の中で、清らかな水に恵まれて栽培されている稲穂の姿が目に浮かぶようだ
▼本県が、「芳醇（ほうじゅん）・淡麗・旨口（うまくち）」といわれる県産酒を造るため開発した酒米「福島酒５０号」の品種名が決まった。香り高い日本酒となるコメの特徴を踏まえた上で、県内外から公募で寄せられた候補の中から選び「福乃香（ふくのか）」とした
▼名前には、栽培する生産者や酒を醸す蔵元、そして消費者に至る全ての人に「福」が訪れるように、との願いが込められている。日本酒ファンに広く知られ、県産酒購入の目安となるような酒米として大事に育んでいきたい。
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December 30, 2019 at 06:26AM
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【12月30日付編集日記】福乃香：編集日記：福島民友新聞社 みんゆうNet - 福島民友
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