内閣官房長官は首相の女房役であり、政府のスポークスマンである。毎日、午前と午後に記者会見があるので注目度は高い。本県選出の自民党衆院議員だった村岡兼造さんは１９９７年９月から第２次橋本改造内閣の官房長官を務めた
▼秋田なまりが特徴で一言一言かみしめるような自身の語り口について「これだと怒っていても、相手が柔らかく感じてくれる」と笑っていた。就任時のインタビューでは、持ち味として「東北人らしい粘り」を強調した
▼世話になった故竹下登元首相に、ナマハゲがデザインされたのれんを贈った。都内の竹下邸の壁に掛けられたという。「口をひかえてはら立てず、親切正直成功のもと」などの人生訓が染め抜かれていた。実直な人柄がうかがえる
▼村岡さんが亡くなった。官房長官の他にも郵政、運輸の各大臣を歴任。自民党の国対委員長を当時としては最長記録の通算３期務めた。その間に与野党に太いパイプを持つようになったのが、官房長官のポストにつながったとされる。県内では高速道路などのインフラ整備に尽力した
▼２００３年に政界引退。中曽根康弘元首相が先月亡くなった時は久しぶりに取材に応じた。外交の基本などについて助言を受けたとして「学んだことは数知れない」と語った
▼やはり元自民衆院議員で防衛庁長官などを務めた野呂田芳成さんは５月に亡くなった。昭和から平成にかけ活躍した政治家の訃報が相次ぎ、時代の変わり目を実感させられる。
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December 27, 2019 at 07:32AM
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北斗星（１２月２７日付） - 秋田魁新報
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