１枚の手拭いが目に留まった。災害に備えて用意しておくものなどがイラストと一緒にプリントされている。名前や生年月日、血液型、連絡先を記入する欄もある。神戸市にある「人と防災未来センター」のショップに並んでいた
▼手拭いは小さく畳める上に、水にぬれても乾きやすいとして広く愛用されてきた。普段から壁に貼って防災意識を高めながら、万が一の時には非常用グッズとともに持って避難すればいろいろな場面で役立つ
▼１９９５年に起きた阪神・淡路大震災の経験と教訓を継承し、防災、減災に必要な情報を発信することを目的に、センターがオープンしたのは２００２年。以来、年間約５０万人が訪れる。センター見学後、ユニバーサル・スタジオ・ジャパン（大阪市）へ向かうのが修学旅行の定番コースの一つになっている
▼センターを先ごろ訪れ、河田惠昭センター長から話を聞いた。河田氏が繰り返したのが災害発生時の避難指示、勧告に従うことの重要性だった。１８年の西日本豪雨では全国で約８６０万人に避難指示、勧告が出たが、実際に避難したのは約４万人（０・４７％）にとどまったことを紹介した
▼目の前に迫る危険を認めずに、受け入れようとしない人が多いと指摘。「私は大丈夫だ」との意識は禁物と強調した
▼避難が無駄に終わることもある。だからといって、その次は避難しなくても安全だとの保証はどこにもない。早め早めの行動が、命を救うことを改めて肝に銘じたい。
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December 23, 2019 at 07:29AM
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北斗星（１２月２３日付） - 秋田魁新報
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