西会津町の名刹（めいさつ）鳥追観音のお堂に、３匹のサルの彫刻がある。「災難より隠れ猿」「災難より逃れ猿」「安楽に暮らし猿」が花のつぼみに似せて彫ってあり、なかなか見つからないよう隠されているという
▼観音様に祈願して、この３匹を捜し出すことができれば、まるで固いつぼみが花開くように運が開けていくとされる縁起物だ。日光東照宮にある「眠り猫」の作者とされる左甚五郎が彫ったと言い伝えられている
▼この甚五郎という人物。落語や講談ではかなりの有名人だ。各地を放浪して、宿屋に泊まったり、誰かの世話になったりした際に、宿代やお礼として竹の水仙やコイの置物を作る。それが高値で売れるなどして、もらった人に福をもたらす
▼お隣の仙台を舞台にした話では、「ねずみや」という貧相な宿屋に泊まった甚五郎が、窮状を見かね、木でネズミを彫って置いていく。このネズミが突然動きだして評判となり、それを見に来た客で宿が繁盛する
▼英日刊紙ガーディアンが「２０２０年に行くべき２０の場所」に日本から唯一、復興の進む本県を選んだ。松の内は過ぎたが、ねずみ年のお年玉だろう。木彫りのネズミよろしく、観光立県に向け動きだす１年にしたい。
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January 11, 2020 at 06:42AM
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【１月11日付編集日記】ねずみ年：編集日記：福島民友新聞社 みんゆうNet - 福島民友
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