「お父さん、誕生日のお祝い遅くなって」と、息子夫婦がプレゼントと手紙を持ってやってきたのは、昨年のクリスマス前だった。
夫から手渡された手紙の中には数枚の写真が入っている。写真の最後には、まるで渦巻きのように見えた白黒の写真も添えてある。
「最後の写真が一番のプレゼントかな…」と嫁が笑顔をのぞかせる。私は老眼鏡をかけて再度、渦巻きのように見えた写真を凝視した。
「これ、エコー」と尋ねると、
「ハイ、この前のエコーです」と嫁は答える。
「妊娠したのね。おめでとう」
「遅くなってごめんなさい」
「いいのよ、辛い経験もしたんだから、今度こそよね」
流産を２度経験している嫁を抱き寄せ、「良かったね」といいながら、涙がこぼれた。女性だからこそ理解できることがある。つわりはないが、食の好みが変わったことも私と同様。
２人が帰ったあと、「さあ、ジイジとバアバになるんだから、体力つけな」と遅い時間にも関わらず、夫とウオーキングに出掛けた。
歩きながら、互いに「ジイジ」「バアバ」と呼び合い、頬が緩んだ。
今年はわが家にとって、歴史に残るハッピーな年になりそうな気がする。
堀内 貴美子 ６３ 大阪府東大阪市
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January 29, 2020 at 03:00AM
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【朝晴れエッセー】ハッピーな年・１月２９日付 - 産経ニュース
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