学校で先生が質問した。「一年のうちで、夜が一番長いのはいつですか」。生徒「試験前日の夜です」。くすっと笑ってしまった。これはイラン出身のジャーナリスト、モクタリ・ダビッドさんの作品。「イラン・ジョーク集」（青土社）に収められている
▼ダビッドさんはイランを堅苦しい宗教国と誤解している日本人が多いが、決してそうではないと書く。どの国の人も感じることはほとんど同じ。ユーモアもあり、日常生活の中に笑いを見いだしている。それをジョークを通じて紹介した
▼だが、イラン情勢は穏やかではない。米軍がイラン司令官を殺害。報復措置としてイランは隣国の米軍基地をミサイル攻撃した。臨戦態勢の中、イランは国内でウクライナ機を誤って撃墜。多くのイラン人が命を落とし、反政府デモを招く皮肉を招いた
▼両国の全面衝突が懸念された際、秋田市でバーを営むイラン出身の男性が本紙の取材に答えた。「仲が悪いのは政府の話。国民は尊重し合っている」。米国出身の客も「米国人も平和を祈っている。話し合いで解決するべきだ」。共に思いは同じなのだ
▼なのに、これが国家と国家のこととなると、様子が違ってくる。互いに譲れず、対立を深めてしまうのだから残念だ
▼東京五輪の年である。イランには「世界に笑いかければ、必ず世界もあなたに笑い返してくれる」ということわざがある。平和の祭典で笑顔の輪が広がり、少しでも世界が明るくなればうれしいのだが。
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January 22, 2020 at 07:42AM
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北斗星（１月２２日付） - 秋田魁新報
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