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【2月23日付社説】子ども夢プラン/社会全体で成長の見守りを - 福島民友

 県が、子育て支援策の基本方針となる次期「ふくしま新生子ども夢プラン」(2020~24年度)の素案を発表した。パブリックコメント(意見公募)を経て、3月下旬に正式決定する予定だ。

 次期プランでは、基本理念として「社会全体での子育ち・子育ての支援」を掲げている。基本目標は「希望の実現」「誰もが輝く」「地域で育む」とし、関連する施策や今後5年間で達成を目指す数値目標などをまとめている。

 核家族化の進行やライフスタイルの変化で、子育て世帯を支える人のつながりが希薄になっていると指摘されて久しい。県は、理念や目標をスローガンで終わらせることなく、行政や地域が切れ目のない援助の手を差し伸べ、未来を担う子どもたちが健やかに育つことのできるような環境づくりに万全を尽くしてもらいたい。

 現在のプラン(15~19年度)と次期プランの基本方針を比較すると、次期プランでは「援助を必要とする子どもや家庭への支援」について、新たに県政の重要な柱として位置付けたことが分かる。具体的には、障害のある子どもやひとり親家庭への支援の充実、児童虐待の防止に加え、子どもの貧困対策の強化を目指していく。

 このうち、子どもの貧困を巡っては、国の「子供の貧困対策に関する大綱」の改定に合わせ、教育費負担の軽減などを盛り込んだほか、県独自に「地域で支援を届ける仕組みづくり」に取り組むことにした。県は、企業や民間団体などにも幅広く協力を求め、各地で子どもの居場所として機能している「子ども食堂」の支援などを積極的に推進してほしい。

 児童虐待については、児童相談所の相談対応の件数が毎年増えている状況だ。痛ましい虐待事件が報じられるたびに、なぜ防げなかったのかという問いが繰り返される。県などの関係機関が、子どもの発するSOSを受け止め、虐待を防ぐための取り組みをたゆまず続けていくことが欠かせない。

 本県の子どもは、東日本大震災後の環境の変化も影響し、他の都道府県に比べ肥満が多い傾向にある。次期プランでは、震災後に各地に整備された屋内遊び場などを活用し、子どもたちが楽しみながら体を動かす「遊びの環境づくり」を進めると明記した。

 結婚や子育てをしたい人の希望を叶えるためには、働き方改革の実現や保育環境の改善など、解決しなければならない課題は多い。安心して子どもを産み、育てられる県づくりに向け、施策を着実に実行していくことが求められる。

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February 23, 2020 at 07:05AM
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