武蔵野市に2カ月間滞在しながら制作を行ってきたルーマニア人アーティスト、アンドレア・アレクサンドラ・ペテルフィさんが2月21日~25日、「武蔵野プレイス」(武蔵野市境南町2)ギャラリーで「ホストタウンムサシノ滞在制作 完成作品展示」を行った。24日にはトークショーにも登壇し、制作過程や滞在中印象に残ったことなどを話した。(吉祥寺経済新聞)
【写真】会場に展示されたアンドレアさんによる完成作品「Patterns」
市が主催し、アーティストを紹介するギャラリースペースなどを展開する「Art Center Ongoing」(吉祥寺東町)が企画を手掛けた。2020東京オリンピック・パラリンピックに向け、ルーマニアのホストタウンを務める武蔵野市が交流事業の一環としてアンドレアさんを招聘(しょうへい)。アンドレアさんは同地域内をリサーチしたり、撮影したりしながら作品を完成させた。
展示した「Patterns」は、写真を印刷したトレーシングペーパーにブロック、ガラス、結束バンドを組み合わせた立体作品を数点配置したもの。アンドレアさんは「記憶の中にある風景のような手触りを表現しつつ、歩いて感じた街の様子を小さなスケールで再構築した」と話す。
13歳から写真を始め、現在はオランダの大学で勉強中のアンドレアさん。トークショーでは、撮影した写真を見せながら、「ヨーロッパのさまざまな都市でも風景を撮ってきたが、常に共通するのはどこか懐かしさ、親しみを感じる場所を撮り続けていること」と話す。
「今回は、車や自転車、建物、木などカバーで覆われたものが印象的だった。グラフィックデザインで用いる、周りのディティールを引き立たせるための余白スペースが街なかに埋め込まれているように感じた。伝統的な建物と新しいものが街の中で交ざっている様子も美しかった」とも。
トークショーには、昨年夏にルーマニアの首都ブカレストを訪れ、現地アーティストのリサーチと制作を行った作家の和田昌宏さん、日本とルーマニア、2つの母国を持つ美術家・スクリプカリウ落合安奈さんも参加し、それぞれが感じるルーマニアの現在進行形のアートについてセッションを重ねた。
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