新型コロナウイルスの拡大防止策で政府の専門家会議が、新たな見解をまとめた。現状について、どこで感染したのかが分からない人が増えている地域があるとして、爆発的な感染拡大につながりかねないと警鐘を鳴らした。
ウイルスの感染抑止は今が正念場だ。県民一人一人が感染防止に努める意識を持ち続けていくことが求められる。
全国的な大規模イベントの自粛については、引き続き慎重な対応が求められると提言した。イベント開催の可否について安倍晋三首相はきのう、自粛の言葉は避けつつ、主催者が慎重に判断するよう求めた。リスク判断をイベント主催者に負う部分は大きい。政府は今後、丁寧な説明で理解を求めていくことが不可欠だ。
専門家会議は感染防止の対策は一律ではなく、地域の感染状況に応じて対応する必要があるとして新たな見解を示した。感染状況別に、拡大傾向にある地域、終息に向かい始めている地域、感染が確認されていない地域に分けた。確認されていない地域では、十分な対策を取った上で学校活動、屋外でのスポーツ、文化・芸術施設の利用などを行ってよいとしている。
県内の感染者は現時点で２人で、クラスター（感染者の集団）の発生は確認されていない。感染が拡大しやすいとされる人混み、換気の悪い密閉空間、近い距離で会話する環境―の三つの条件がそろわないよう心掛け、イベントなどの活動再開に向けた方策を探っていくことが大切だ。
学校を巡っては、政府が春休みに入るまでの臨時休校を要請していた。春休みが明け、新学期に入ると、県内でも入学式やＰＴＡ総会、授業参観などの行事が増える。入学式は規模を縮小して実施する学校が多いとみられるが、対応に苦慮する場面が増えることも予想される。
政府は一斉休校の延長はしないことを確認し、新学期からの再開に向け、来週の早い段階で具体的な指針を公表することにしている。子どものストレスや学習への影響などを懸念する声がある中、最善の方針を示してほしい。
専門家会議は、感染の拡大に備え、軽症者には自宅療養してもらい、重症患者が十分な治療が受けられる態勢づくりを進める必要があると指摘した。
県は、感染症の指定医療機関に加え、他の医療機関にも協力を要請して病床確保を進めているほか、検査態勢の強化を図っている。適切な医療の提供へ万全を期してもらいたい。
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March 21, 2020 at 06:02AM
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【３月21日付社説】新型コロナ・専門家会議/感染避ける行動徹底しよう - 福島民友
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