春は別れと出会いの季節。新たな世界に旅立つ若者に、長い人生の伴侶となる言葉を贈り、贈られる時期だ
▼「あなた方が不正、裏切り、不運、敗北に見舞われることを祈る」。米国のジョン・ロバーツ最高裁長官は、かつて息子の卒業式に招かれた時、こんな風変わりな式辞を述べたという
▼ブラックジョークではない。文字通りの意味で、逆境にも勇気を失わないことを説く言葉だった。人は不正で傷つく。それはつらいものだが、そのつらさを経験した人は「正義」の尊さを理解する。不運に見舞われた人は、チャンスを逃さないことの大切さ、いかなる成功も保証されているわけではないことを学ぶ
▼友人や信頼していた人に裏切られるのもつらい。しかし裏切られることによって初めて、友人に忠実であることの価値がわかる。スポーツの試合で負けて、勝者から見下されるのも悔しい。しかしそのとき、スポーツマンシップの美しさが私たちの心に染みるだろう
▼新型コロナウイルス感染症の拡大や、原発事故もそうだ。こうした厳しい試練に直面して初めて、落ち着いて行動することやデマに惑わされない心の強さの意義がわかる。逆境から学ぶこと。それは人生そのものだ。
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March 08, 2020 at 06:44AM
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【3月8日付編集日記】逆境から学ぶ - 福島民友
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