会津地方に古くから伝わる郷土玩具の「赤べこ」。人気タレントのマツコ・デラックスさんは、ゆらゆらと優しく揺れる赤べこの首を「いつまでも見ていられる」ほど気に入っているそうだ
▼赤べこの起源で有名なのは、大地震の被害に遭った柳津町の福満虚空蔵堂の再建時、重い荷物を黙々と運んで助けてくれた赤い牛の伝説だ。完成前夜に石になった赤い牛を供養しようと張り子人形ができ、子どもの「魔よけ」に用いられたという
▼張り子人形の赤べこにも伝説が残っている。会津地方で天然痘が流行した際、赤べこを持っていた子どもだけは感染しなかったという。赤べこの体にある黒い斑点は、子どもの代わりに天然痘にかかってできた水ぶくれの痕と伝えられている
▼天然痘は、ウイルスを病原体とする感染症の一つで強い感染力があり、世界中を混乱させている新型コロナウイルス感染症とイメージが重なる。ただ、天然痘は人類史上初めて撲滅に成功した感染症でもある
▼天然痘を撲滅できたように英知と技術を結集すれば、必ずや困難は克服できるだろう。もし目の前に張り子の赤べこがあるならば、問い掛けてみよう。愛らしい動きで、何度もうなずいてくれるはずだ。
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April 14, 2020 at 06:43AM
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【４月14日付編集日記】赤べこ - 福島民友
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