
高い木で梢(こずえ)を切る人に木登りの名人が声を掛けた。「過ちすな。心して下りよ」。それは高所ではなく、ある程度まで下りてきてからの注意だった―。これは徒然草「高名(こうみょう)の木登り」のあらすじだ。「もう安心」という油断こそが危険という教訓である
▼かつて国語の授業で習った記憶がある。生意気盛りの心にはあまり響かなかった。ところが社会人になって趣味で登山を始めたことで、この教えが胸にストンと落ちた
▼山登りの際によく足首を捻挫した。痛めるのは頂上近くの難所などではなく、決まって登山口までもう少しというなだらかな下り坂。疲労の蓄積だけではなく、ゴールを目の前にした気の緩みもあった
▼日々新たに確認される新型コロナウイルスの国内感染者数の推移を示す棒グラフは、4月中旬を頂点にした山を描く。現在はだいぶ下り、平地まであとわずかという位置だ。しかし、ここからの下りが難しい
▼感染拡大に伴う国の緊急事態宣言が本県など39県で解除された。収束の日が一歩近づいたと喜びたい。とはいえ、これまで同様の感染防止対策は欠かせない。県境を越えた移動自粛などは継続だ。感染がいったん収束したかと思われた北海道が今、第2波に襲われていることを忘れてはならない
▼解除で浮かれてしまえば、収束は再び遠のいてしまう。今こそ木登り名人の「過ちすな」を肝に銘じるべき時だ。全国の感染者数が「0」に張り付くまで気を緩めず過ごす覚悟を新たにしたい。
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May 15, 2020 at 07:33AM
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北斗星(5月15日付) - 秋田魁新報
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