「結局のところ旅に出るということは人に逢（あ）うことだと思う」。放送タレントの永六輔さんは自著「遠くへ行きたい」（文春文庫）で、旅をする理由をこう記している
▼４年前に８３歳で亡くなった永さんはパーキンソン病などで闘病するまでは「旅暮らし」を続けた。小さなカバンを携え、日本各地を隅々まで訪ね歩いた。週末に東京に戻り、旅先での体験やそこで出会った人の話を毎週土曜日のラジオの生番組で語ると、再び旅に出た
▼コロナ禍で制限されてきた「不要不急」の移動が解禁され、きょうから首都圏の４都県などを除いて県をまたぐ外出が可能になる。本県への観光は１８日まで県外からの集客を控えるが、県は県内のホテル、旅館への県民の宿泊費１泊当たり５千円を補助する制度を設けている
▼新型ウイルスは人の移動にとどまらず、人と人との距離も制限した。「なによりも生きている人間は素晴しい。美しい、面白い、そして悲しい」。人との出会いを愛した永さんは、この不自由な生活をどう語っただろうか
▼決して遠くへ行かなくとも、日常と違う空気を吸うと新鮮な気持ちになる。新たな土地や人との出会いが旅の魅力。ウイルスへの警戒を忘れず旅に出たい。
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June 01, 2020 at 06:44AM
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【６月１日付編集日記】旅：編集日記：福島民友新聞社 みんゆうNet - 福島民友
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