道ばたや山中にひっそりとたたずむ地蔵や道祖神。真新しい頭巾をかぶせられていたり、数輪の花が手向けられていたりする光景に出合うことがある。行き交う人はそれほど多くはないだろうに、心を向ける人がいる
▼今のコロナ禍の状況にあっては、各地の公園や広場に立つ銅像の口にマスクが付けられ、話題となっている。親しまれていることの裏返しでもあろうか。そんな姿を見ると、妙に距離感が縮まったような気になる
▼福島市の郊外にある鉄製の機動戦士ガンダムの像が関心を集めている。本家と比べ、丸顔で少しがに股気味に立つ様子から、「へたれガンダム」の愛称で親しまれている。その像が手にしていた「ビームライフル」が何者かに盗まれてしまった
▼寂しげな姿を見かねたファンの贈り物だろうか。ある日、像の手にモデルガンが添えられていた。日を置かず、「ハイパーバズーカ」を模したような手作りの新しい武器も贈られた
▼像が立って今年で１０年。これまでも県内外のファンの手で、無償で２回塗装し直されている。心ない仕業と、無言の粋な計らい。しっかりと正面を見据える像は何を思うだろう。願わくば、今の地に降り立った時の雄姿に戻ることを。
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June 16, 2020 at 06:45AM
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【６月16日付編集日記】へたれガンダム：編集日記：福島民友新聞社 みんゆうNet - 福島民友
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