[台北駐日経済文化代表処台湾文化センター]
「ヨコハマトリエンナーレ2020」が7月17日に神奈川県横浜市で開幕した。今回は台北駐日経済文化代表処台湾文化センターと台湾の国家文化芸術基金会(以下、国芸会)が台湾ナショナルチームとして積極的に参加を後押しし、台湾からジョイス・ホー(何采柔)、アリュアーイ・プリダン(武玉玲)、ジャンシュウ・ジャン(張徐展)ら3名のアーティストが出展した。同展における台湾のアーティスト参加者数は過去最多となり、その意義は大きなものとなった。
16日に行われたメディア向け内覧会で、台湾文化センター長王淑芳は横浜美術館館長蔵屋美香とともに台湾人アーティストジャンシュウ・ジャン(張徐展)の作品エリアを鑑賞した。蔵屋館長は、「今回出展した3名の台湾人アーティストの作品はどれも非常に素晴らしく、多くの人が注目するであろう」と評価した。また、今回は新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、台湾のアーティストらが来日できなかったことから、台湾にいるアーティストと日本の会場にいる通訳およびスタッフをオンラインでつなぎ、クラウドと実体を結び合わせて同時に制作を進めたことから、これまでよりも大幅に作業時間を費やし、難易度も上がった。
台湾文化センターは、国芸会と2019年より横浜トリエンナーレの主催者と緊密に連絡をとり、台湾人アーティストの出展を積極的に推進してきた。今回、3名の台湾人アーティストの出展が決まった後、国芸会と力を合わせ、台湾のアーティストが作品を日本で出展できるよう共に協力し、台湾のアート作品が国際的な芸術展において光り輝くこととなった。
今回の3名の台湾アーティストの作品はそれぞれ個性的な特色がある。ジョイス・ホー(何采柔)による多彩な視覚効果と劇場のような大型インスタレーション作品『バランシング・アクトIII』は、鉄格子のフェンスの間を行き来する体験を通し、その物から個人的な日常に対する体感や気付きにより、そこに潜む問題に意識を向けさせようとしている。
パイワン族のアリュアーイ・プリダン(武玉玲)は、『生命軸』など5点の布製のソフト・スカルプチャーによる作品を展示している。鮮やかな色彩と伝統的な技法で多様な女性のイメージと台湾原住民族の精神を表現している。
ジャンシュウ・ジャン(張徐展)は、新作『AT5』を通し、アジアの民間に伝わる物語や台湾の伝統芸能の要素をつなぎ合わせ、ストップモーションによるアニメーション映像などの手法により、世界の共通性の連結と流動を表現している。
横浜トリエンナーレは2001年の初開催以来、これまで約189万人が来場した。今回は初めて外国籍のアーティスティック・ディレクターを迎え、インドのラックス・メディア・コレクティヴ(Raqs Media Collective)により、「After Glow―光の破片をつかまえる」をタイトルとし、国際的な新鋭および著名なアーティストの作品を集め、複合的な視点から出発し、芸術の価値、創作意識、コミュニティーの連結などを見つけようとしている。現代アートの重要な地位を築く展覧会であり、世界各地から計65組のアーティストが参加する。同展の会期は2020年7月17日から10月11日までである。
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