新型コロナウイルスの感染拡大が全国各地で勢いを増すなか、夏休みが本番だ。行楽地や商業施設など、不特定多数の人でにぎわう場所に出掛ける際は、感染予防に細心の注意を払い、安全を最優先に過ごしたい。
コロナ禍では初めてのお盆を迎える。古里で暮らす家族や親族への感染を恐れ、首都圏などからの帰省を諦めた人は少なくないようだ。先週末、県内の交通機関には大きな荷物を抱えた家族連れなどでにぎわう駅の新幹線ホームや、渋滞が発生する高速道など、例年の夏の光景は見られなかった。
長く続いた臨時休校の影響で、子どもたちにとっては短い夏休みだ。福島市や田村市、南相馬市などの小中学校では７日に終業式が行われたものの、田村市は県内で最も早い１８日から再開する。
子どもへの負担を考慮し、例年より自由研究、図画、作文などの課題を少なくしている学校が多い。限られた時間を有意義に使うことが、子どもたちに課せられたこの夏の最大の宿題といえる。規則正しい生活を心掛け、学習や外遊び、読書などを通し、かけがえのない思い出をつくってみよう。
通常と違う夏を過ごす子どもたちへの保護者や周囲の大人たちの目配りも大切だ。コロナ禍でさまざまな不安やストレスを抱える子どもが多いとされる。インターネットの会員制交流サイト（ＳＮＳ）でのいじめやトラブルに遭うケースが増えている。子どもの話に耳を傾け、語り合うなど、一緒に過ごす時間が大事になる。
厳しい暑さが続くため、涼を求めて自然の中でのレジャーなどを計画している人は、特に水の事故への注意が必要だ。
感染防止策を講じて開設中の南相馬市原町区の北泉海水浴場はきのう、多くの家族連れや若者でにぎわった。例年を上回る人出で、県外ナンバーの車も多かった。「３密」の回避など感染防止策を徹底し、ルールやマナーを守ることが欠かせない。
県内の多くの海水浴場、湖水浴場は開設を見送った。プールの利用を制限する学校も多く、近くの川や池などで水遊びや釣りなどを楽しむ人がいるだろう。
海や川、湖などにはあらゆる危険が潜む。子どもだけで遊ぶことは厳禁だ。立ち入り禁止の場所には絶対に近づいてはいけない。
急な雨などにも警戒してもらいたい。局地的な雨で川などは一気に増水する。河川敷でのバーベキューやキャンプなどは上流部での降雨量を想定し、早期に避難するなど、注意深い行動が求められる。
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August 11, 2020 at 06:38AM
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【８月11日付社説】新型コロナ・夏休み/安全最優先で充実の時間を - 福島民友
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