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【8月5日付社説】避難の見直し/緊急性伝え命守る仕組みを - 福島民友

 内閣府は災害時に自治体が出す避難勧告、避難指示の見直しを進めている。

 避難勧告は「避難を開始すべきタイミングであり速やかに避難する」という意味で使用されている。避難指示(緊急)は「避難開始のタイミングを過ぎており身の安全に配慮しつつ速やかに避難する」で、いずれも大雨・洪水の警戒レベル4に位置付けられている。

 昨年10月の東日本台風(台風19号)の被災市町村の住民に対する内閣府のアンケートでは、勧告と指示についてそれぞれ正確に理解していない人が7割だった。避難勧告については、「避難の準備を始める」「避難開始のタイミングではないが自主的に避難」との誤った理解や、「分からない」との回答の合計が5割を超えており、理解されているとは言い難い。

 東日本台風で、本県では65歳以上の高齢者の犠牲者の7割が自宅で亡くなっており、避難できなかったために死亡した人がいる可能性があるとみられる。住民がタイミングを逃すことがないよう避難の必要性、緊急性が適切に伝わるようにすることが大切だ。

 避難勧告と指示の在り方を検討する内閣府作業部会による自治体への意見聴取では、勧告と指示の一本化を推す意見が目立った。勧告で避難所、指示で自宅の2階以上への避難と、具体的な避難法を示して使っている自治体からは一本化に反対する声もあった。

 相馬市は聴取に対し、上の階への退避を避難方法として明確に位置付けるよう求めた。近年は、強い雨などで屋外に出るのが危険な災害も目立つ。勧告と指示の見直しの中で、被害を免れるための具体的な避難方法を示すことも検討してほしい。

 勧告と指示の見直しを盛り込んだ災害対策基本法の改正は来年の通常国会以降となる見通しだ。先月の九州豪雨では死者が70人を超え、避難者が2千人に上った。その1週間後には本県でも須賀川市など4市町村が避難勧告を出した。気候変動で、大規模水害への備えは待ったなしの状況だ。勧告と指示を用いながら住民の安全を確保していく工夫が重要だ。

 内閣府や県は、自宅と、浸水や土砂災害の被害想定区域を記したハザードマップを照らし合わせたり、避難にかかる時間などを確認したりして、避難するタイミングや身を寄せる避難所、親族宅などを事前に決めておくことを促している。勧告と指示の意味の周知を図りながら、住民に自らの安全を守る対策を考える機会を設けていくことが求められる。

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August 05, 2020 at 06:37AM
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