【９月１日付編集日記】うれしかった思い出と - 福島民友

　あるのが当たり前と感じていて、なくなった後に悲しみが押し寄せてくるものがある。ふるさとに入りて先（ま）ず心傷むかな道広くなり橋もあたらし（石川啄木）。古里の山々や建物もそうした感慨を抱かせる

　▼リバプールは英中部の港町で、ビートルズのメンバーの出身地として知られている。彼らの曲の中にはこの街が繰り返し登場する。「ペニー・レーン」はバスターミナルの場所。ポール・マッカートニーは「ここでよくジョン（・レノン）と会った」と述懐している

　▼がんばった自分へのご褒美に、少しだけ背伸びしていい物を買ってみようか。そんな時はやはりデパートだ。ボタンをポチッと押すだけのネットショッピングも便利だが、実物を見ながらあれこれ品定めするひとときには、画面越しでは味わえないぜいたくさがある

　▼とうとうこの日が来た。きのうの福島駅前は休日明けの月曜日なのに、多く人であふれていた。高くそびえるビルを見つめたり、携帯電話を向けて写真に収めたりする人の姿が目立った

　▼うれしかった記憶とこの場所が結び付いている人は多いだろう。きょうは文頭と三角の下に中合福島店への思いをちりばめてみた。１４６年間、お疲れさまでした。

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September 01, 2020 at 06:43AM
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