記録的な猛暑にぐったりした季節が過ぎ、ようやく秋らしく―と言いたいところだが、涼しくなったかと思えば、暑さがぶり返してじめじめしたり、雨模様となったり。どうにも季節が行きつ戻りつしている感がある
▼おのが葉に月おぼろなり竹の春（与謝蕪村）。秋の深まりにつれ落葉樹は色づき、やがて葉を散らすのに対し、竹は今の時季に青々とした新葉を風に揺らす。「竹の春」は秋を表す季語で「竹の秋」は葉が落ちる春を指す
▼今が春とばかりに、竹は地下茎を成長させて栄養分をため込む。春には、それをもとにタケノコがぐんぐん伸びていく。その驚異的な繁殖力から、時に環境バランスを崩すとして「厄介者」扱いされることもある
▼きょうから４連休という人も多いに違いない。政府の観光支援事業「Ｇｏ Ｔｏ トラベル」を使い、控えていた遠出を楽しもうと人の動きが活発になる。東京発着の旅行予約も解禁となった
▼彼岸の入りと重なった。先祖に手を合わせ季節の移ろいを感じながら英気を蓄える連休にしようと、思いを巡らせている人もいるだろう。駆除しようにも、どこに潜んでいるか見当もつかない厄介者を、背負い込んでしまうことだけは避けたい。
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September 19, 2020 at 06:52AM
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【９月19日付編集日記】彼岸の入り - 福島民友
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