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北斗星(10月19日付) - 秋田魁新報

 サンマが不漁だという。そう聞くと、食べたくなるのが人情らしい。買ってきた1匹をまず測ってみる。全長約30センチ、胴回り10センチほど。わずかに青みの差す銀白色の胴体が部屋の明かりに輝いた

▼不漁の中のこの1匹だ。塩焼きをゆっくり味わおう。そう思っていたのに夢中で平らげていた。脂ののった身と新米の組み合わせのおかげだろう。新鮮だからか、苦手なワタもまったりとした味わいがあった

▼サンマはかつて「下賤(げせん)な魚」として相手にされなかった。広く親しまれるようになったのは江戸中期あたりからのようだ。戦後は集魚灯を使う漁法が中心となり水揚げがぐんと増えた。気軽に味わえる「秋の味覚」。それがサンマだった

▼ところが近年は不漁が深刻化。昨年の漁獲量はピークの1割に満たない。本来の漁場である日本近海は地球温暖化もあって海面水温が高く、遠く離れた公海に漁場ができている。だが燃料代と時間をかけ漁に出ても水揚げは少ない。昨秋は船の転覆事故も起きた。「遠くに出るのがおっかなくなった」と漁場の近いイワシ漁に替えた船長もいた

▼温暖化で今世紀中、1次産業に深刻な影響が出るとの国の報告書がある。漁場が遠くなったサンマは小ぶりになる。サケ・マス類も日本周辺の生息域が縮小。2040年代は1等米も減り経済的損失が大きくなる

▼舌に残ったワタの苦味のように何とも苦い予測だ。皿の上で骨だけになった姿に、サンマを味わえるこの秋の幸せを思う。

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October 19, 2020 at 07:32AM
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