タイトルを見て驚いた。「安心して感染したい」とある。感染といえば誰もが新型コロナウイルスを思い浮かべる。それなのに「安心して」とはどういうことなのか
▼インターネット上で話題の５こま漫画のタイトルだ。作者は新潟のイラストレーター。１こま目で女性が言う。「狭い町で噂（うわさ）になるから一人目の感染者にだけは絶対になりたくないわ～」。次に３人が登場。村八分になる、陰口をたたかれ住めなくなると続く
▼５こま目で男性がつぶやく。村八分も陰口も行うのは「ひと」だ、と。ほっとするのは次の言葉だ。「互いを想（おも）い合う温かい『ひと』でありたい」。いくら気を付けても、いつ自分にうつるか分からない。だからこそ感染した人を思いやる温かい心を持とう。それがメッセージだ
▼春以降の感染拡大では「同調圧力」という語をよく目にした。周りと同じ行動を強制する圧力を指す。例えばマスクは感覚過敏で着用が難しいこともある。人それぞれ事情があるからだ。にもかかわらず着用を強いる「マスク警察」は一線を越えた行為と言うしかない
▼緊急事態宣言下の外出自粛要請などはこの圧力を利用していたように見える。怖いのは行き過ぎると同調しない人を排除しかねない点だ。「互いを想い合う」気持ちを忘れたくない
▼みんなで同じ方向へ走る。物事の達成に大事なことだろう。ただし立ち止まり一歩引いてみることも時には必要だ。深く呼吸し心を静めれば見えてくるものがある。
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November 04, 2020 at 07:41AM
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北斗星（１１月４日付） - 秋田魁新報
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