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北斗星(12月5日付) - 秋田魁新報

 仙北市の田沢湖で絶滅したクニマスが遠く離れた山梨県の西湖(さいこ)で70年ぶりに見つかったと発表されたのは2010年12月だった。あれから、はや10年。元のすみかは酸性水が引き込まれ「死の湖」と化したが、死滅前に県外へ卵が運ばれて命脈が保たれた

▼クニマスは田沢湖周辺ではキノシリマスと呼ばれ、昭和初期までは1匹で米1升の価値があると言われた。住民にとっては貴重な収入源だった

▼生息確認の発表後、仙北市の関係者や研究者らがすぐさま西湖へ駆け付けた。その中に先日亡くなった横手市出身の漫画家矢口高雄さん(享年81)もいた。矢口さんは01年、クニマスが地底湖でひそかに生き延びていたという設定の漫画「地底湖のキノシリマス」を発表。作品がその後の現実を予言する格好となった

▼山梨県で少し興奮気味に「事実は漫画よりも奇なり」と驚きを表現した姿が忘れられない。その場にいたタレントのさかなクンが感銘を受けて「ギョギョー! すギョくすてきな言葉でギョざいますね」と跳びはね、周囲を沸かせたのも懐かしい

▼矢口さんは自作について1年前、かんで含めるように説明してくれた。「大うそだけど夢を描いたんだよ。そこにね、クニマスを絶滅させた人間の過ちと戦争の愚かさを投影させたんだ」

▼ラストシーンにクニマスが群泳する光景を描いた。われわれは田沢湖をよみがえらせられるのか―。絵にはそんな矢口さんの問い掛けと再生への願いが込められている。

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December 05, 2020 at 07:06AM
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