私たちは、どこにいても誰といても、居場所がない。たとえ家族や恋人と一緒にいても-。「居場所」について、社会学者の岸政彦さんはそう考察している。「だから、どこかへ行きたいといつも思っている」▼移動しなくても「出口」は見つかる。思わぬところに外に向かって開く「窓」がある。岸さんの場合は、本だった。本を読めば、どこかに「外」の世界があり、どこにでも行ける感覚を得ることができるという(『断片的なものの社会学』朝日出版社)▼この少女の場合、インターネットが「出口」だったのだろうか。行方不明だった大阪市の12歳の少女が遠く離れた栃木県内で保護された。少女を誘拐したとして逮捕された男は、会員制交流サイト(SNS)で声を掛けていた▼男の自宅には行方不明だった茨城県の15歳の少女もいた。男と少女らとの間に何があったのか。SNSを通じて、子どもと見知らぬ大人との接点が広がっていく現状は何ともうすら寒い。犯罪被害に巻き込まれる子どもの事例も後を絶たない▼ネット社会は誰もが容易に「世界への窓」を開くことができる。その窓が救った心もあろうが、匿名性のリスクも消えない。偶然に出会う悪意の存在から、どうすれば子どもたちを守れるだろうか▼岸さんは、外の世界は強烈な解放感や自由の感覚をもたらすが、同時に孤独や不安も伴うことが多い、と指摘する。だから、私たちは帰りたいとも思うのだという。大阪の女児は無事に家族と再会できた。少しだけほっとする。
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November 26, 2019 at 04:40AM
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11月26日付 | 新生面 | コラム - 熊本日日新聞
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