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北斗星(11月16日付) - 秋田魁新報

 高さ約2・4メートル、幅約10メートル、奥行き約7・5メートルというからかなりの大きさだ。秋田市で9月に開かれた全国豊かな海づくり大会で、稚魚の放流に使われた放流台。宮城県石巻市で開かれる来年の大会で、再利用されることになった

▼放流台は天皇、皇后両陛下と来賓による放流のために本県が製作。鉄骨に秋田杉の正目板を張り、その美しさは多くの参加者の目を引いた。ただ、両陛下は台風接近の影響で予定より早く帰京せざるを得ず、放流には参加されなかった

▼放流行事の準備を進めてきた関係者の中には、予定変更に涙ぐむ人もいたという。どんなに残念だったことか。そうした事情も踏まえ、宮城県が「秋田の思いを引き継ぎたい」と放流台の再利用を提案していた

▼本県の担当者によると、放流台は県内の森林資源をPRするとともに「豊かな森があるから豊かな海がある」というメッセージを発信する狙いがあった。海の生き物の成長には、川を通じて流れ込む森林の養分が大きな役割を果たす。海と森林は切り離せない関係にある

▼宮城はこの点に着目した取り組みの先進地である。30年前から気仙沼市などで、漁業関係者らが自ら植林する「森は海の恋人」運動が続いている。これまでに気仙沼湾に注ぐ川の上流に5万本超が植えられた

▼放流台をリレーすることで秋田、宮城の両県が力を合わせ、「森と海は一つ」とあらためてアピールしてほしい。両陛下の放流が実現すれば、発信力は一層高まる。

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November 16, 2019 at 07:36AM
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