冬の季語で知られる「山眠る」は、風雪のない穏やかな光景を詠む俳句に使われることが多い。約千年前の中国の古典「臥遊録」に記された言葉がもとになっているという
▼明治期に活躍した作家の尾崎紅葉は、「日あたりの海ほかほかと山眠る」と詠んでいる。尾崎が当時の俳句界に新風を吹き込んだ作品の一つで、穏やかな冬の海と山が織りなす風景が目に浮かぶようだ
▼新地町の鹿狼山（標高４３０メートル）の登山愛好団体「鹿狼・山の会」が今月、恒例になった元旦登山に向け、登山道の整備活動を行った。会員らは、夜明け前の暗さの中でも安全に登山ができるように、落ちている石などを取り除く作業に汗を流した
▼元旦登山は、地元住民らによる実行委員会が企画し、来年で４１回目となる。２年前からは「日本一早い山開き」と銘打ち注目を集めている。冬場でも降雪が少なく、登山愛好家を穏やかな雰囲気で迎える鹿狼山の特徴を生かしたイベントになっている
▼頂上には太平洋と遠方の山々を一望できる絶景が広がり、毎年多くの人が初日の出を見るために訪れている。登山者が一年の幸せや健康を願って踏みしめる山頂への道筋は、地元の温かい心によって支えられている。
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December 19, 2019 at 06:19AM
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【12月19日付編集日記】元旦登山：編集日記：福島民友新聞社 みんゆうNet - 福島民友
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