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北斗星(12月26日付) - 秋田魁新報

 アフリカ南部のマラウイはたびたび干ばつに見舞われてきた国である。そのあおりで生活に窮した14歳の少年が学費を払えず、中学に通えなくなった。それでも学ぶ意欲は旺盛で、図書館の本を頼りに風力発電機を作った。風車の材料をスクラップ置き場で探し、自転車のライトの発電機を再利用した

▼少年が風力発電に取り組んだ動機が胸を打つ。電気でポンプを動かして井戸水をくみ上げ、飲用水や農業用水に活用したいと考えた。実際、作物を一年中、栽培できるようになり、家族は食べるのに困らなくなった。その体験談は「風をつかまえた少年」(文芸春秋)に収められている

▼地球温暖化が進む中、先進国では風力発電への注目度がますます高まっている。一方、二酸化炭素を大量に排出する石炭火力は温暖化の要因と批判され、厳しい視線が注がれるようになった

▼日本は資源に乏しい。ふんだんにある風や太陽光などを電力に変えられれば、資源枯渇や温暖化の心配はない。風力発電をはじめ、再生可能エネルギーへの転換は時代の要請と言える

▼だが風車が林立することになる地域の人の思いは複雑だ。景観が変わる。海上の風車は漁業に影響しないか懸念が残る。潟上市では県有保安林に設置した風車が原因とみられるテレビの受信障害も起きている

▼設置後に想定外の問題が起きれば、困るのはいつも住民だ。願わくはマラウイの少年が作った風車のように、みんなが喜ぶ風力事業であってほしい。

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December 26, 2019 at 07:34AM
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