「生きているということ」で始まる一編の詩がある。笑えたり、ふとあるメロディーを思い出したり、ブランコが揺れたりするのを感じることが、生きることなのだと訴えている
▼谷川俊太郎さんの代表作の一つ、「生きる」だ。決して長くはない作品の中で「手」が２回登場する。生きるとは「あなたと手をつなぐこと」であり、「あなたの手のぬくみ」のことなのだという。小学生が世界平和をテーマに制作したポスターを見て、思い出した
▼福島市の中合福島店できょう、そのポスターの展示が始まる。掲示前の作品を見せてもらうと、人が争う様子を描いたものはほとんどなく、満面の笑みの子どもの姿など、明るい雰囲気の作品が多いことに驚いた
▼谷川さんの詩を思い出したのは、手をモチーフにした作品が半分以上を占めていたからだ。さまざまな民族衣装を着た人々が互いに手を重ねたり、肌の色の異なる人が握手したりしている。手をつないだ人で地球を丸く囲んだ作品もあった
▼司令官殺害に、基地へのミサイル攻撃。ポスターの描く平和とは正反対の出来事が世界を不安で覆っている。さらに争いが続くのは避けなければならない。間に入り、手を握る存在が必要だ。
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January 09, 2020 at 07:04AM
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【１月９日付編集日記】つなぐ手 - 福島民友
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