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【1月5日付社説】郡山中央工業団地/企業撤退に歯止めをかけよ - 福島民友

 郡山市を東北トップクラスの経済都市に押し上げてきた地場産業を、今こそ市、県、国が一体となって守らなければならない。

 昨年10月の台風19号で甚大な浸水被害に遭った同市の郡山中央工業団地では、操業再開を果たせなかったり、全面復旧がかなわないまま年を越したりした企業が数多くある。

 これらの企業は対応に苦慮している。水につかった機械の交換はできるが、「操業を続けて大丈夫なのか」といった不安が根強いことに目を向けなくてはならない。

 浸水は今回が初めてではないからだ。団地は阿武隈川と支流の谷田川の合流点に近い。本流の水量が増すと支流の水があふれ出す。1986年の「8・5水害」、2011年の台風被害など、幾度となく経験してきた。

 その度に立地企業は土地のかさ上げや防水壁の設置など、自助努力で防災対策を進めてきた。行政も堤防強化などの治水対策をとってきたが、今回の被害は過去の経験や対策を超える事態だ。

 立地企業が水害のリスク回避を選択するのはやむを得ない。事実、大手1社が工場撤退を決めた。影響は取引のある地元中小企業にも波及する。

 今回の水害で国は中小企業向けに施設や設備の復旧費用を補助するグループ補助金を用意した。郡山市も市内の他の工業団地への移転、増設を支援する方針でいる。ただグループ補助金は大企業は対象外。敷地をさらにかさ上げしようにも補助対象にならない。撤退回避のためには柔軟な制度運用や税制面での支援も求められよう。

 何より重要なのは言うまでもなく治水対策の強化だ。大がかりな事業になるが、阿武隈川本流を管理する国、支流を管理する県、加えて市も、氾濫被害を軽くするための方策を出し合い効果的な治水、防災対策を進めるべきだ。

 付け加えたいのは国、県、市が縦割りの対応をとってはならないということだ。企業が切実な声を届けようにもたらい回しにされては操業再開への意欲をそがれる。

 郡山中央工業団地は1960年代半ばの高度成長期、地方都市に産業集積を促すために国が指定した「新産都市」を象徴する拠点でもあった。製造品出荷額を押し上げ多くの雇用を生み、生活圏も広げた。現在の産業都市郡山の姿を形づくった先導役ともいえる。

 現在200社を超える工業団地の空洞化は地域経済の衰退に直結する。立地企業の撤退や生産縮小の動きに総力を挙げて歯止めをかけなければならない。

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January 05, 2020 at 05:59AM
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