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新型コロナウイルスの感染を広げる「3密」空間と指摘され、早くから営業自粛を迫られたライブハウス。再開への道筋が開けない中、ミュージシャンらが店舗への支援活動を始めた。経営者も巻き込み、輪が広がっている。
「三月からほとんどイベントができない状態。売り上げを即、運営費に回すような店舗が多い中で、三カ月も収入が途絶えれば、持たない」
大阪を拠点にするバンド「MASH BROWN」の小田翔武(おだしょうぶ)さん=写真(左)=は、活動場所でもあるライブハウスの苦境を知り、四月上旬、音楽仲間と共に「SAVE THE LIVEHOUSE」と題する支援を始めた。
応援したい店舗のドリンク代金(チケット一枚六百円)を前払いすると、手数料を差し引いた額が一週間程度で店側に入金される。国の補助金などは支給まで時間がかかり、「一週間、一カ月とつなぐための当座の資金が必要」と説明する。
北海道から沖縄まで約百四十店が登録し、支援金は計約千四百万円に。イベント再開時などに使えるよう、チケットの有効期限は六月一日から一年に設定したが「お客さんを入れた公演は当面難しそうで、最悪の想定をして動くつもり」と開始日の変更も見据える。
バンド「東京事変」など約七十組のアーティストが協力する「MUSIC UNITES AGAINST COVID−19」も四月中旬に立ち上がった。店舗を選び五百円から一万円の支援を行うと、参加者が提供した貴重なデモ音源などを六月末までダウンロード可能だ。支援を求め登録済みの店舗は約二百四十店に上る。
ピアノの弾き語り曲を提供したCharaさん=同(右)=は、「未来の若手ミュージシャンのためにもライブハウスは絶対に必要です。音楽を愛する私たちができることを考え、曲を書き下ろしました」とのメッセージを寄せた。
「民間の僕らが動かなきゃいけないことに腹立たしさもある」と発起人のロックバンド「toe」の山崎広和さん。周辺でも何軒かが店を閉めたが「一軒でも多く残ってほしい」と力を込める。
活動を手伝うメンバーに、東京都内でライブハウス「FEVER」を営む西村仁志さんもいる。店は三月末から営業を自粛し、無観客のライブ配信も見合わせている。
「自分の店の切り盛りも考えなくてはいけないが、業界全体のテンションが下がることは避けたかった」と各地の店舗に声掛けし支援の輪に迎え入れる。公演に欠かせないフリーの音響担当者らへの援助も必要と訴える。
「新しい文化を生むために必要な場所。厳しい状況が続く中で、今回生まれた横のつながりを強めていきたい」
(東京新聞)
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May 19, 2020 at 11:24AM
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<新型コロナ>ライブハウス 救いたい アーティスト、曲やデモ音源提供 - 東京新聞
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