国と県が浪江、双葉両町にまたがる約48ヘクタールに整備する県復興祈念公園の概要が固まった。双葉町側の隣接地に完成した県の震災記録施設「東日本大震災・原子力災害伝承館」の開館に合わせ、今秋に約2ヘクタール分の利用が始まる予定だ。
震災と原発事故の発生から9年4カ月が経過した。大規模な自然災害が各地で相次ぐなか、震災の風化を防ぐ取り組みの重要性は増している。多くの人に大地震や大津波、原発事故の脅威や教訓を伝え、犠牲者に鎮魂の祈りをささげられる場となるよう、整備に力を尽くしてもらいたい。
国が公園中心部に整備する「追悼と鎮魂の丘」は高さ16.5メートル。丘の上から津波が襲った海岸や集落跡などを望み、犠牲となったすべての命を悼む場とする。内部には、震災前から現在までの歩みを体感できる通路を整備する。
双葉町側には、中野地区の住居跡など震災遺構がそのまま保存される。伝承館を見学した人が追悼と鎮魂の丘へ歩いて向かう途中、遺構を間近に見て、伝承館で知った事実と現場を重ね合わせ、震災をより深く考えてもらう。
震災を経験した県民のほか、国内外から多くの人を迎えられるよう、語り部となるガイド役や多言語による案内表示などは欠かせない。これから増える震災を知らない世代が、未曽有の災害を現実のものとして受け止め、共感できる仕掛けなどの工夫も必要になる。
伝承館は震災関連資料の収集・展示に加え、風評や環境への影響など、現在進行中の原子力災害について、研究や研修の場、専門分野の人材育成などの役割も担う。
初代館長の高村昇長崎大教授は人の交流をメイン事業の一つに位置付けている。地元住民や国内外の学生、若い研究者が交流しながら、復興や防災、減災につながる研究に励むことは意義のある取り組みといえる。政府が浜通りに整備を検討している国際教育研究拠点との連携も含め、高度な研究が可能となる環境整備が大切だ。
風評払拭(ふっしょく)の観点から、県外の学校や団体の教育旅行を受け入れることも重要な取り組みになる。
公園近くでは、浪江町が津波で被災した請戸小校舎を震災遺構として一般に公開予定だ。周辺には東京電力廃炉資料館や福島ロボットテストフィールドなど、長期化が避けられない廃炉の現状や、最新のロボット技術に触れることができる施設などが点在している。
県などはこうした施設と連携し、巡回ルートなどを作成して近隣県や首都圏の学校などに、積極的に働き掛けてほしい。
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July 28, 2020 at 06:51AM
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【7月28日付社説】震災伝承施設/人の交流促し風化防ぎたい - 福島民友
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