「夏休みに宿題があるというのは、子供に夏休みを休むなと言っているようなものだ」。２年前に亡くなった漫画家さくらももこさんのエッセー集「あのころ」（集英社）の一編はこんな調子で始まる。アニメ「ちびまる子ちゃん」の声が聞こえてきそうだ
▼小学３年生のさくらさんは４０日間の夏休みが残り３日になってから姉や青果店を営む両親の手を借り、ようやく宿題を片づける。「最初の３日で済ませたら」との親の忠告など、どこ吹く風だ。身に覚えのある人もいるだろう
▼昨日は全国各地で最高気温が３５度を超え、県内各地で３０度を超えた。そんな中、子供らが夏休みを終えて元気に登校し始めている。秋田市の小中学校の夏休みは１９日間。さくらさんの半分以下だ
▼短い夏休みは新型コロナウイルス感染拡大による臨時休校の影響。全国的にも同じような状況だ。感染への警戒から遠出や海山のレジャーもままならない残念な夏休みだったのではないか
▼学校にとっては感染防止と暑さへの対策に追われながらの授業再開となった。学習の遅ればかりではなく、延び延びとなってしまった学校行事への対応なども頭の痛い問題だ
▼夏休み明けは子供らにとって悩みや不安が多い時期といわれる。まして今年はコロナ禍という経験のない事態だ。ストレスから心身に不調が生じ、笑顔が消えてしまった子供はいないか。マスクで表情が見えにくいからこそ、一人一人の子供としっかり向き合っていかなくては。
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August 21, 2020 at 07:45AM
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北斗星（８月２１日付） - 秋田魁新報
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