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北斗星(11月7日付) - 秋田魁新報

 照明がランプから電灯に切り替わった頃の話。ある村に電気が引かれることになった。ランプ売りの男は自分の商売がなくなると思い、村会の議長役を逆恨みする。不満を晴らそうと極端な行動に出るが、うまくいかない

▼以前、本紙に掲載された新美南吉の童話「おじいさんのランプ」(角川つばさ文庫)のあらすじだ。技術が進歩し社会が変化するにつれ、人によっては生活や仕事が成り立たなくなる場合もある

▼菅義偉首相が2050年に温室効果ガスを実質ゼロにすると宣言したのを聞き、この物語を連想した。これまで大きな役割を担ってきた石炭など火力発電から再生可能エネルギーへの転換。社会構造や生活の変化を伴う

▼資源がない日本。風や太陽、水など自然の力で地球温暖化を防げれば、それに越したことはない。国には本県沖を洋上風力の一大拠点にしようという計画があり、経済活性化の期待もある

▼いいことずくめではない。海上に巨大な風車が林立する光景はいかがなものか。慣れ親しんできた古里の景観が犠牲にならないか。風力や太陽光発電は天候に左右される。それを補うために菅首相は「原子力政策を進める」とも言う。原発への依存度はどうなるのか

▼童話のランプ売りは自らランプを壊し、新たな商売に踏み出す。脱炭素社会の実現には多くの人の理解が必要だ。せりふがなくても言わんとすることをそぶりで伝えるのが一流の役者だが、政治家は言葉で心に響かせるしかない。

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November 07, 2020 at 07:46AM
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