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【12月6日付社説】都市計画と水害/リスクの低減と周知進めよ - 福島民友

 本県などを10月に襲った台風19号で、住宅や公共施設などを集約する「コンパクトシティー」の核となる居住誘導区域の浸水被害が福島、郡山、いわき、須賀川の4市で発生した。須賀川市では区域内で犠牲者が出た。

 被害があったのはいずれも住宅集約を目指す市街地の川沿いだった。4市は誘導区域の見直しなどを検討するとしている。

 誘導区域を設けるのは住宅や店舗、病院、公共施設を一定の範囲にまとめ、効率的な街にすることが目的だ。区域を設けることで、公共施設の整備などについて国の支援が受けられる。県内では7市町が誘導区域を設けている。

 気候変動の影響により、今後も大規模な水害が起きる可能性は否定できない。住宅を集めた場所が浸水すれば、大きい被害が懸念される。4市は、区域の見直しに加え、被害があった場所の分析を行い、再度被害が出ることがないよう対策を急いでほしい。

 多くの都市は水の便が良い川沿いを中心に発達している。浸水想定区域を全て避けて、まちづくりを進めることは現実的ではないだろう。国や市町村には、災害の危険に目配りしながら、住民、都市機能の集約を進めていくことが求められる。

 国土交通省は区域設定要件の一つに災害リスクが小さいことを挙げているが、防災体制が整っていれば浸水想定区域を含めることを認めている。誘導区域が浸水した4市も区域内で浸水が想定されることは把握していたが、減災対策や避難体制の充実を行うこととして区域に組み入れた。

 水害と都市計画の関わりなどを研究している佐賀大の猪八重拓郎准教授は「誘導区域から浸水想定区域を外すのが原則だが、一律の対応は難しい。数十年、100年に1度の災害リスクをどう捉えるかは行政の判断」と指摘。その上で、市町村に求められるのは「住民との間で共通理解をつくっておくことだ」と強調している。

 市町村は、誘導区域で想定される災害、避難方法などについて住民への説明や周知を徹底する必要がある。

 国交省は11月、社会資本整備審議会に小委員会をつくり、水災害の被害を低減する対策や、浸水想定区域を明確に示す方法の検討を始めた。居住誘導区域の見直しや、災害対策の充実を促すことが狙いの一つだ。

 市町村は小委の議論や、まとめられる知見などを参考に、誘導区域内の災害リスクを下げる取り組みを重点的に進めてほしい。

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December 06, 2019 at 07:04AM
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