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北斗星(1月10日付) - 秋田魁新報

 「自然を支配する」「生産力を上げる」「欲望を満たす」。この三つを絶対の善だとしてまい進したのが現代文明。昨年世を去った哲学者の梅原猛さんはこう説いた上で、その方向は誤りだったと指摘した

▼人類に富と力を与え、まるで世界を制したかのように見えたが、壁にぶつかった。公害が広がり環境問題が深刻化したほか、経済も混乱。大国の首脳は自制が利かず、核実験が繰り返されている。そんなふうに著書「日常の思想」(集英社文庫)で持論を展開し、転換を求めた

▼執筆したのは1970年代。半世紀の時を経て、人類がこれらの問題を克服したかといえば、答えは「NO」だろう。むしろ悪化しているのではと危惧せざるを得ない

▼近年は特にその傾向が顕著だ。要因の多くは現代文明の中心にいながら、国際秩序を軽視する米国にある。トランプ政権は地球温暖化が深刻化しているのに、問題解決を図る国際的な枠組みから離脱。経済を巡っては自国の利益最優先を掲げ、摩擦が絶えない。核削減の取り組みにも背を向けた。これでは他に示しがつかない

▼中東危機はそんな中で勃発した。米軍がイランの司令官を殺害すると、イランはミサイルで報復。両国とも全面衝突は避けたい意向のようだが、対立の根は深く、不測の事態がいつ起きないとも限らない

▼梅原さんは三つの善を掲げる文明の果てに核戦争が起きる危険性を警告していた。両国の対立がその引き金とならないよう願うばかりだ。

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January 10, 2020 at 07:59AM
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