運転免許を自主返納した高齢者が不便を感じないよう、生活の足の確保に知恵を絞っていくことが重要だ。
県警によると、県内で昨年1年間に運転免許を自主返納した人が初めて8千人を超えた。過去最多で東北では最も多かった。ほとんどが65歳以上の高齢者で、75歳以上が7割を超えている。
返納者が増えた要因として県警は、制度の周知が進んだのに加え、東京・池袋で昨年4月、80代の高齢ドライバーが運転する車が暴走し、母子が死亡する事故が起きたことが契機になったとみている。交通安全に対する意識が高まっていることの表れであり、自主返納を選択肢とする一つの流れができていると言っていいだろう。
高齢ドライバーが原因となった交通事故は昨年、県内で925件発生し、75歳以上のドライバーが4割弱を占めた。加齢と共に視野が狭くなる、筋力が低下するなどの衰えが出て運転ミスが起きやすくなる。高齢者が自主返納した理由でも、身体的機能の低下の自覚を挙げる人が5割近くに達した。
県警が昨年11月に運用を始めた安全運転相談ダイヤル「#8080」には、約1カ月間で15件の自主返納の相談があった。
自主返納は交通事故を減らすことが目的の制度で、高齢になったからといって即、返納につながるものではない。安全な運転ができる高齢ドライバーは運転して差し支えないことは言うまでもない。
ただ、左右のウインカーを間違って出したり、車庫入れで車体をこすったりするミスなどが多くなってきたら、家族で話し合ってみることが大切だ。
車社会の本県では、マイカーは買い物や通院など生活を維持していく上で欠かせない。過疎化が進む地域だとなおさらだ。「生活できなくなるので、返納したくてもできない」といった悩みを抱える高齢者は多いだろう。
各市町村は小型乗り合いバス「コミュニティーバス」や「デマンド型乗り合いタクシー」などを運営し生活交通の維持を図っている。自主返納した人に対しては、バスの無料化やタクシー料金の補助といった支援策を講じている。しかし、1日当たりの本数が限られているなど、十分に対応しきれていないのが現状だ。
昨年末の県内の75歳以上の免許保有者は約10万7千人で、前年より2500人以上増えた。返納者は今後、さらに増えることが予想される。県や市町村には、より使い勝手の良い生活交通の在り方を探り具体化してもらいたい。
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February 08, 2020 at 06:58AM
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【2月8日付社説】高齢者と運転免許/不安なく返納できる環境を - 福島民友
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