Search

【5月3日付社説】宇宙食の開発/優れた食材と技術生かそう - 福島民友

 郡山市に工学部を置く日大の発案により、県産食材で宇宙食を開発するプロジェクトが進んでいる。本年度は食品業者や生産農家、行政機関などが参加して、宇宙食のメニュー作りに向けた情報や意見を交換する研究会の発足を目指している。

 宇宙食は、宇宙飛行士の食事としてだけではなく、防災食や介護食などとしても活用することができ、今後ニーズが広がっていく可能性がある。本県の優れた食材や加工技術を生かし、世界に発信できる商品づくりを目指したい。

 宇宙食は、宇宙飛行士が国際宇宙ステーションなどの宇宙船内で食べるために作られた食品で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が認証している。宇宙食として認定を受けるには、宇宙飛行士の健康を維持するための栄養が確保されていることや、長期保存ができること、宇宙での微小重力状態の中でも食べやすいことなど、さまざまな基準を満たす必要がある。

 宇宙食の開発には全国の食品メーカーなどが取り組んでおり、ラーメンやおにぎり、サバのみそ煮、ようかんなど多様な食品が認証を受けている。ただ、その多くは大手企業が開発した商品だ。地域の中小企業が単独で取り組むにはハードルが高いといえる。

 本県の研究会には酒造会社や加工食品会社、農業団体などが参加する意向を示している。それぞれの企業規模は小さくても、研究会のネットワークを生かすことで規模効果をつくり出すことが期待できる。例えば最先端の醸造技術や多彩なフルーツなど、本県ならではの技術や食材を掛け合わせることができれば、独自の宇宙食開発につながるはずだ。

 JAXAの認証を受けるためには複雑な申請作業も必要となる。スムーズな申請の支援や、企業間の連携体制を構築するためには行政機関などの協力も欠かせない。

 地球温暖化などを背景に、毎年のように大規模な災害が起きている。プロジェクトの事務局を務める日大産官学連携知財センターの小野洋一さんは「常温でも長持ちしてヘルシーな宇宙食は、いざという時の備えとしても需要が見込まれる」と話す。

 県は、航空宇宙産業の集積を再生可能エネルギーや医療機器などとともに本県産業再生の柱に据えている。ロケット機器の製造だけにとどまらず、宇宙食の開発にも力を入れたい。宇宙船内で飛行士が福島の郷土食を口にする―。そんなシーンが実現すれば、本県の食の魅力を世界中に知ってもらう好機になる。

Let's block ads! (Why?)



"日付" - Google ニュース
May 03, 2020 at 06:21AM
https://ift.tt/3aWpCpZ

【5月3日付社説】宇宙食の開発/優れた食材と技術生かそう - 福島民友
"日付" - Google ニュース
https://ift.tt/377vQTs
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "【5月3日付社説】宇宙食の開発/優れた食材と技術生かそう - 福島民友"

Post a Comment

Powered by Blogger.