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北斗星(2月8日付) - 秋田魁新報

 池波正太郎の時代小説「鬼平犯科帳」は、あくの強い登場人物の魅力に加え、出てくる酒や料理がいかにもおいしそうで、思わず引き込まれる。江戸の町並みが細かく描かれているのも興味深い。坂や水路が多かったことを教えられる

▼今でも東京にはあちこちに坂が残っている。そんな地形やちょっとした高低差に着目し、土地の歴史を解き明かしながら街歩きを楽しむ団体が2003年結成の「東京スリバチ学会」。スリバチとは東京の地形に特徴的な「谷」のことを指す

▼仙北市出身の柳山努さん(52)は大手出版社で編集者を務める傍ら、会員として東京歩きを続けた。17年にUターンした後、秋田市で「秋田スリバチ学会」を設立。雪のない時期は毎月のように仲間を募り、県内各地を歩き回っている

▼秋田市立図書館・明徳館で先頃開いた市民講座は盛況だった。初代秋田藩主の佐竹義宣がどのようにして久保田城(現千秋公園)の建設場所を選び、現在の秋田市の基になる町造りを進めたのか。地図や地形の断面図を示して、その過程を分かりやすく解説した

▼「秋田には何もないと言われるが、そんなことはない」と柳山さん。地形には土地の歴史や記憶が刻み込まれている。その一端に触れるだけで、何げなく通り過ぎていた街が全く違ったものに見えてくる。それが街歩きの醍醐味(だいごみ)という

▼街歩きを始めたくなった。春になるまでは地図を眺めることで我慢しよう。鬼平に倣って熱かんでも傾けながら。

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February 08, 2020 at 07:42AM
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