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【3月11日付社説】3.11から9年/これからを復興の正念場に - 福島民友

 開設されたばかりの常磐道常磐双葉インターチェンジを通り、避難指示が解除された双葉町のJR双葉駅周辺を訪ねた。駅の再開が14日ということもあり、歩く人の姿はまだまばらだ。国道6号には、除染で出た土壌を中間貯蔵施設に運ぶトラックが行き交う。

 東日本大震災と東京電力福島第1原発事故から9年が経過した。同町の避難指示の一部解除で、指示が出た全市町村に解除区域ができた。国道6号を通過することすらできなかった原発事故直後の数年に比べ、旧避難区域が着実に前進していることが実感できた。

 ただ、双葉駅は9年前まで普通に営業していた。常磐道は事故前から全線開通に向けた工事が進んでいた。あったものを元に戻すのは復旧だ。そこに新たな仕組みや産業を加え、住む人の暮らしを震災と事故の前より良くしていくことが復興のあるべき姿だろう。

 避難指示が解除された地域の住民帰還は進んでいない。2017年までに町の多くの部分で避難指示が解除された富岡、浪江両町に住む人の数は住民登録の1割前後にとどまる。復興庁の住民意向調査では、帰還を判断する条件として、多くの人が医療機関と商業施設の再開や新設などを挙げる。

 住民が求める施設の整備に加えて、働く場の確保が進めば、若い世代の帰還や移住も期待できる。

 国や県が進める福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想は雇用の創出に向けて最も期待される取り組みだろう。同構想などを通じて、原発事故の被災地で暮らし、働く利点を生み出していくことが国の責務だ。

 津波被害が甚大だった地域は、かさ上げした土地に災害公営住宅が立ち並んでいる。

 しかし、主要産業の漁業や観光は原発事故に伴う風評被害の影響が続いている。復旧工事などの需要が一段落したことによる地元経済の縮小が懸念されるほか、高齢化も進んでいる。震災とほかの問題に複合的に対処し、いかにして自立した街であり続けるのかが、今後の課題となる。

 「震災を(物事がうまくいかないことの)言い訳にしなくてもよくなることが復興だ」。震災直後、浜通りのある首長が口にしていた言葉だ。

 来年は震災、原発事故から丸10年を迎える。被災者一人一人や各自治体は、これまでの9年の歩みを土台としながら、震災や原発事故を乗り越えるために必要なことは何かを改めて見定め、これからを復興の正念場としなければならない。

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March 11, 2020 at 06:45AM
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