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【3月7日付社説】震災9年・第1原発の廃炉/安全性高め着実な前進図れ - 福島民友

 東京電力福島第1原発の着実な廃炉は、本県復興の大前提だ。原発事故から丸9年を迎えようとする中、廃炉作業のつまずきが地域再生の歩みを滞らせることのないよう、国と東電は廃炉の工程管理に万全を期さなければならない。

 30~40年続くとされる廃炉作業には、敷地内のタンクで保管を続けている「処理水」の処分が含まれている。処理水は、事故で溶け落ちた核燃料(デブリ)を冷却する過程などで生じた汚染水を処理し、トリチウム以外の放射性物質を取り除いた水で、日々増えている。国の小委員会は先月、海洋か大気中への放出が「現実的な選択肢」とする報告書をまとめた。

 報告書が出された背景には、敷地内での貯蔵に限界が見えていることがある。東電の現在の計画では、タンクの貯蔵量の増強を進めても、2022年夏ごろにはタンクが満杯になってしまう計算だ。処分の準備には2年ほどかかるとされ、一定の判断を下さなければならない時期が近づいている。

 処理水の放出で新たな風評被害が生まれる懸念があることから、国は農林水産団体などから意見を聞き、慎重に処分方法を決定する方針だ。国には、柔軟な姿勢で関係者との協議や合意形成に努力を重ね、廃炉と復興が両立できるような策を導き出してもらいたい。

 廃炉作業の中で、優先して進められているのは、原発の建物上部にあるプールからの使用済み核燃料の取り出しだ。現在は3号機で行われており、566体の燃料集合体のうち、91体が敷地内の共用プールに運び出された状況だ。

 廃炉工程表の「中長期ロードマップ」では、3号機からの取り出しを20年度内に完了させる予定だ。目標を一つ一つ実現することは、廃炉作業への信頼性向上につながる。東電には、作業の安全や情報公開の透明性を第一に心掛けながら、円滑な運び出しを続けることを求めたい。

 廃炉作業で最も困難とされるデブリの取り出しは、2号機から実施することが決まっている。現在の想定では、デブリのある格納容器の内外をつなぐ通り道からロボットアームを内部に入れ、21年内に少量を採取することを目指す。

 デブリの採取は、廃炉作業が新たなステージに入ることを意味する。取り出したサンプルの硬さなどを分析することを通じて、廃炉の核心となる本格的なデブリ撤去への道筋が浮かび上がってくるはずだ。国と東電は、国内外の英知を集め、デブリの採取や保管などに必要な機器の開発や準備を進めていくことが重要だ。

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March 07, 2020 at 06:52AM
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