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【9月4日付社説】磐梯朝日国立公園/新たな視点で活用と保全を - 福島民友

 磐梯朝日国立公園が17番目の国立公園として指定されてから、あすで70年を迎える。

 同公園は、福島、山形、新潟の3県にまたがり、陸地では大雪山に次いで2番目に広い国立公園だ。火山活動によるさまざまな景観が楽しめる磐梯吾妻・猪苗代、雄大な山が連なる飯豊、山岳信仰の長い歴史を誇る出羽三山・朝日の3地域で構成されている。

 本県を中心とした磐梯吾妻・猪苗代地域は、戦前から学生が集まることで知られた吾妻連峰の登山、磐梯山の噴火によってできた五色沼をはじめとする湖沼群などの景観に加えて、温泉やスキーなども楽しめるのが特徴だ。国立公園指定の際にも、首都圏から近く、さまざまな楽しみ方を提供できる場所であることが考慮された。

 指定から9年後には磐梯吾妻スカイラインが開通した。磐梯山ゴールドラインなどの観光道路も相次いで整備され、車で気軽に行ける景勝地として人気を集めるようになった。宿泊施設やスキー場を中心とした観光産業を根付かせることにも大きな役割も果たしてきた。これまでの公園の恵みに思いをはせ、本県の宝として守っていくことが大切だ。

 国立公園の利用者はレジャーの多様化などを背景に低下傾向が続いている。2018年度の磐梯朝日の利用者数は680万人で、ピークだった1994年から半減している。近年は吾妻山の火山活動の影響もあり、減少が顕著だ。

 同公園では探勝路の整備や、休暇を過ごしながら仕事をするワーケーション環境の構築が行われている。公園周辺では外国人誘客を目指すスノーリゾートづくりの計画もある。一方で、公園内で北米原産のオオハンゴンソウの繁殖などが問題化している。環境省や地元市町村などには、自然の保全に配慮しながら、多様なニーズへの対応を進めるよう求めたい。

 前同省東北地方環境事務所長で同公園勤務の経験がある宮城大の小沢晴司教授(環境科学)は「またぎや山岳信仰の文化など人が山で培ってきた知恵に触れられる公園だ。70周年はこうした歴史を見直す機会だ」と話す。東日本大震災と東京電力福島第1原発事故では、公園周辺の宿泊施設が多くの避難者を受け入れたことで浜通りの人との関係も深まったと指摘する。

 同公園は英気を養いながら、自然の豊かさやそこに生きた先人の歴史を学ぶことができる場所だろう。秋は山を訪ねるのに絶好の季節だ。何度も訪れているという人も、まだ行ったことがないという人もぜひ足を運んでみてほしい。

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September 04, 2020 at 06:56AM
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