世界ランク5位でメジャー初優勝を目指す畑岡奈紗(21=アビームコンサルティング)が通算1アンダー、首位と5打差の10位に浮上した。

首位との差はスタート前と変わらなかった。「ムービングサタデーなので、上との差をもう少し詰めて終わりたかった。そこが悔しいです」という。それでも、3日間で最少の68を出した手応えはある。

9番パー5は、第2打で楽々グリーンを捉え、奥カラーから7メートルのイーグルトライを外してのバーディー。10番パー4は、落としどころの限定されたピン位置に対し、9番アイアンで30センチにつけるピンポイントショット。15番は6メートルを決めた。「昨日まで、切り返しから上半身から降りてきて、引っかけたり、プッシュしたりすることがあった」というドライバーを修正できた。本来得意なアイアンも悪くない。プラス要素を凝縮した3バーディーを奪った。しかも、外したチャンスも2、3はあった。

調子は上々だ。「バンカーを怖がらずにいこうと思った」。難しいピン位置をデッドに攻められる気持ちは、その裏返し。3、12、13番とガードバンカーに3度捕まった場面も全部、パーをセーブできた。

18年大会はプレーオフで敗れ、2位に終わったが、最終日に9打差を追いつく離れ業を演じた。「相性がいい大会」という自覚がある。スコア的な目標は持たない。「バーディーだけを狙って、1つでも多く積み重ねていきたい」。念願のメジャー制覇へ。自分の中の準備はほぼ整っている。