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【12月28日付社説】かんぽ不正に処分/顧客第一の組織へ再出発を - 福島民友

 かんぽ生命保険の不正販売問題を巡り、金融庁と総務省が日本郵政グループ3社を行政処分した。保険の新規販売業務を来年1月から3カ月間停止することを命じたほか、経営責任の明確化や企業統治の強化などを要求する業務改善命令も出した。

 郵便や郵便貯金、簡易保険は、長い年月をかけて国民の信頼を得てきた社会制度だ。公共性を持った事業を公正に運営しなければならないはずの日本郵政グループが、顧客の不利益になるような生命保険の不正販売に手を染めていたことは許される行為ではなく、処分は当然だ。

 不正販売は、高齢者らに保険の乗り換えを勧め、新旧二つの契約を併存させて保険料を二重払いさせるなどの手口で行われてきた。日本郵政グループが設置した外部の弁護士でつくる特別調査委員会は、不正の背後には、達成困難な営業目標の設定があったと認定し「不適正募集を黙認、正当化する風潮が形成されていた」と分析している。金融庁の行政処分でもその体質が厳しく批判された。

 行政処分を踏まえ、日本郵政の長門正貢、かんぽ生命の植平光彦、日本郵便の横山邦男の3社長が経営責任を取って辞任することが決まった。経営トップの総辞職を転機として、これまでの悪しき習慣や企業風土を抜本的に見直し、顧客本位の組織に生まれ変わらなければならない。

 今後の経営体制については、辞任する長門氏の後任として、元総務相の増田寛也氏を起用することなどが決まった。就任は来年1月6日の予定で、グループ社員40万人の巨大組織は新たなスタートを切ることになる。

 特別調査委員会によれば、2018年度までの5年間で、法令などに違反した疑いのある保険契約は約1万3千件あったとされている。しかし、調査は継続中であり、被害の全容は見通せない状況だ。増田氏をはじめとする新経営陣には、信頼回復の第一歩として徹底した調査で組織のうみを出し切り、不正販売で被害を受けた人の補償などに取り組んでほしい。

 今回の処分に関連し、日本郵政グループの監督官庁である総務省の事務次官が行政処分案の検討状況をグループ幹部に漏らし、事実上更迭される不祥事も起こった。

 情報を漏らした相手は、元総務次官だった日本郵政副社長であり、総務省と日本郵政グループのなれ合いの構図が浮き彫りになった。民営化した郵政事業をどのようにして適正に監督していくか、政府の本気度も問われている。

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December 28, 2019 at 06:40AM
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