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【7月19日付編集日記】4度目のフライト - 福島民友

 飛行機の旅は離着陸時がスリリングで面白い。特に滑走路にトンと降りた時は安堵(あんど)感とともに機長の技術の高さに思わず拍手が起きたりする。飛行場が雨雲に覆われる時期はなおさらだ

 ▼福島空港は濃霧が出やすくパイロットの腕が試される。計器着陸装置が機体を安全に滑走路へ導くが、2500メートル滑走路延伸の際は装置移設のため一時期、目視に頼る着陸になり天候不順もあって欠航が相次いだ

 ▼巨額の滑走路建設費を抑えるため旧滑走路の装置や資材を徹底して再利用した。数十億円は縮減できたという県の苦心策も、代償の欠航リスクについて利用者への広報が足りず、混乱を招いた22年前の教訓が残る

 ▼現地須賀川は橋本克也市長が先週、無投票で4選を果たした。震災復興10年で最も手応えを得たのは市民交流センター・テッテを成功に導いた市民の力だという。隅々まで利用者の声が生きて老若男女でにぎわう

 ▼長期政権化を自戒し操縦席を離れる決意だった市長を台風災害が翻意させた。新たな復興への長旅はコロナ禍の濃霧が視界を遮る。しかし、自分たちのまちをつくる市民の気概を誘導装置にして針路を取れば、4度目のフライトも悪天候を越えられると期待しよう。

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July 19, 2020 at 06:44AM
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