片や高等小学校卒で実業から身を起こし総理大臣に上りつめた。片や東京帝大卒で内務官僚だったエリート。田中角栄氏と中曽根康弘氏、同い年でライバルだった関係について中曽根さんの回想が新聞に残っている▼「私は海軍将校も内務省の役人もした“治める側の人間”。角さんは商売をして“治められる側”も知っており、実学から政治を見て理念は後藤田正晴さんから獲得した。私は学問で得たものを政治でもまれ、ねたみの海を泳いで悟った。終極点は同じですよ」。勉強家と評される中曽根さんらしい発言だ▼後藤田さんは内務官僚として中曽根さんの先輩にあたり、田中内閣の官房副長官だった。3人とも大正生まれで、田中、後藤田のお二人は既に亡くなっている。昨日101歳で死去した中曽根さんは政治家としてもまれな長寿の一人だろう▼戦中に海軍主計将校として、フィリピンとインドネシアで戦闘を経験した。<友を焼く 鉄板を担ぐ 夏の浜>は、死者をボルネオ島で荼毘[だび]に付したときの句。戦後の政治活動の出発点に戦争があった▼中曽根さんの後、現在まで17人の首相が就任したが、実体験として戦争を知る世代はどこまでだろう。生年から察するに、終戦時9歳だった福田康夫元首相あたりだろうか。戦後生まれの安倍晋三首相の振る舞いとなると、歴史を忘れたような危うささえ感じる▼中曽根さんは「戦後政治の総決算」を掲げたが、戦後はもちろん終わっていない。その意味では心を残しての旅立ちだったろうか。
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November 30, 2019 at 04:45AM
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11月30日付 | 新生面 | コラム - 熊本日日新聞
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