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【9月21日付編集日記】吉田肉腫:編集日記:福島民友新聞社 みんゆうNet - 福島民友

 浅川町出身の世界的ながん研究者、吉田富三は旧制中学の受験で言葉の洗礼を浴びた。成績優秀の吉田は教師の勧めもあり、東京でも最難関の中学を受けたが不合格となった。筆記試験は十分な出来だったが、面接試験で試験官に方言がまったく通じなかった

 ▼戦後、吉田は国の国語審議会の委員となる。漢字や仮名の使用をやめてローマ字に移行するという意見がある中で、漢字と仮名を交ぜる現在の方式を強く主張した。方言は仮名だけでは伝わりにくいが、漢字と一緒に使えば分かりやすくなる―というのが持論だった

 ▼国立科学博物館が未来に引き継ぐ「重要科学技術史資料(未来技術遺産)」として、吉田が発見した移植可能ながん細胞「吉田肉腫」を新たに選んだ。シロネズミに化学物質を投与することで腹の中に作ったものだ

 ▼肉腫はほかのシロネズミの腹部に移植することで培養されて、米国やスウェーデンなど海外にも分け与えられた。生きたがん細胞の登場で世界のがんの研究や治療薬開発は大きく進んだ

 ▼言葉で辛酸をなめた少年の見つけた細胞が、言葉の壁をひょいと飛び越え、多くの人の命を救った。地方に育った人間にとって、何とも勇気づけられる遺産である。

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September 21, 2020 at 06:37AM
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