１２月も、もう１０日を過ぎた。そういえば今年はこんなことがあった、あんなこともあったとしみじみ振り返ったりする頃だ
▼この子どもたちは晴れやかなステージに上がったあの日を思い返し、笑顔になっているのではないか。秋田市立中通小学校の音楽部である。県大会を勝ち抜いて先月東京で開かれた全日本合唱コンクールに出場し、見事に銀賞に輝いた
▼１９６９年に別の全国大会で優勝するなど輝かしい実績がある合唱の伝統校だが、少子化に伴い児童数は減少傾向にあり、音楽部員も１８人にとどまっている。出場した全国３９団体の中では最も少なかった
▼だが堂々としたものだった。指揮者として聴衆を背に壇上に立った細谷郁子教諭は、さあ歌うぞと引き締まった表情の部員たちを前に、よくここまできたものだと誇らしい気持ちが込み上げて感極まったという
▼猛暑の夏も体育館で汗だくになって練習に励んだ。集中力が途切れそうになるときもあったが、修正しながらひたすらレベルアップを目指した。ともすればバラバラになりがちな歌声が一つにまとまり、本番では最高潮に達した。少数のハンデをものともしない厚みのある歌声は圧巻だった
▼１人で歌うのと違い、皆で歌うには何よりチームワークが大切だ。それが美しい響きをつくる。「子どもたちが歌い終わった後、にこにこしていたのを思い出します」と細谷教諭がうれしそうに語る。目標に向かって走り切った経験は、一生の宝物である。
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December 11, 2019 at 07:39AM
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北斗星（１２月１１日付） - 秋田魁新報
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