Search

【8月8日付社説】モモせん孔細菌病/被害抑制し大切な産地守れ - 福島民友

 モモの病害「せん孔細菌病」が県北地方を中心に猛威を振るっている。枝や葉、果実に斑点や小さな穴が発生する病気で、果実自体の味などに問題はないが、商品価値が下がり、出荷量が減少するため生産者にとって大きな痛手だ。

 県や自治体、JAなどは被害実態の把握に努め、生産者の支援に最善を尽くしてほしい。

 県によると、今年は例年より早い3月中旬以降に発病が確認され、伊達市や桑折町、福島市などの畑で、春先から枝や葉に平年より高い割合で発病が確認された。果実での発生がみられた畑の割合も、過去10年間で最も高かった。主力品種「あかつき」の最盛期はほぼ終えたが、これから収穫を迎える晩生種への影響が懸念される。

 細菌は果実収穫後の9月以降、枝の落葉痕などから侵入して越冬し、春になると、枝に病斑が出てくる。ここから雨などと一緒に拡散され、葉や果実へ伝染する。強い風や雨が伝染拡大の要因で、風当たりの強い川沿いや水田に面した畑で発病する割合が高い。

 今年の深刻な被害は、昨年9月時点で葉の発病率が高かったことに加え、同10月の東日本台風などで樹木が被害を受けたことも原因とされる。梅雨入り後も雨量が多く、葉や果実への伝染も拡大した。

 特効薬がないため、効果が期待できる薬剤の散布と、発病した枝や葉、果実を除去することで伝染を食い止めるほかに有効な防除法がないのが実態だ。山梨など本県以外の産地でもまん延している。県などは、国の試験研究機関、薬剤メーカーなどに対し、特効薬の早急な開発を要請してほしい。

 収穫終了後の秋の防除作業を徹底し、細菌の越冬を防ぐことが、翌年の発病抑制につながる。県や市町村、JAなどは、来年の被害を抑えるため、生産者への注意喚起や技術指導に力を入れてもらいたい。防風ネット、雨よけ設備の設置に対する補助事業の活用などを生産者に促すことも大切だ。

 被害が大きい畑では、全ての樹木を植え替えることも対策として考えられる。発病リスクが高い晩生種から、わせ種や中生種への切り替えが有効とされる。国や県などには、収穫できるようになるまで収入が減る生産者への支援などの検討が求められる。

 本県の夏の味覚を代表するモモは、販売額やブランド力が高い農産物だ。被害が毎年続けば、防除作業の負担が大きく、生産者の営農意欲に影響を与える。県や市町村、JAは、畑の被害状況や作業環境に合った効率的な防除方法を築き、産地を守ってもらいたい。

Let's block ads! (Why?)



"日付" - Google ニュース
August 08, 2020 at 06:49AM
https://ift.tt/30AWgvu

【8月8日付社説】モモせん孔細菌病/被害抑制し大切な産地守れ - 福島民友
"日付" - Google ニュース
https://ift.tt/377vQTs
Shoes Man Tutorial
Pos News Update
Meme Update
Korean Entertainment News
Japan News Update

Bagikan Berita Ini

0 Response to "【8月8日付社説】モモせん孔細菌病/被害抑制し大切な産地守れ - 福島民友"

Post a Comment

Powered by Blogger.